商品は黒く、心は清く白くがモットー
株式会社テーエム 「小林太一」

前回に引き続き、株式会社テーエム 小林太一工場長にインタビューさせていただきました。

若干34歳にして工場長を任せられた小林さんには、職人ならではのこだわりがたくさんありました。

 

印象に残っているものは2メートルを超えるシャフトの黒染め

過去に黒染めしたものの中で印象に残っているものをうかがったところ、「2mを超えるシャフトを黒染めしたこと」と教えてくれた小林さん。

「それまで自分の身長を超える長さのものを黒染めした機会はなかったので、すごく印象に残っています。」と言います。

専用の液につけて黒く染めるという特殊な技術だからこそ、大きさや形にこだわらない作業ができるのだと思います。

 

▲株式会社テーエム小林太一工場長。ホームセンターでもついつい工具コーナーに足を運んでしまうほどの工具マニア。

 

「黒染めは中に浸透させていく技術なので、寸法が変わることがありません。

そのため、精密部品に向いています。

お客様にご依頼いただくものは、機械の中に入っているものが多いです。」と、黒染めについて教えてくれました。

 

「サンプルも受け付けていますので、気になった方はご連絡ください。」

テーエム 問い合わせ

 

 

嬉しいのは、「お客さんが喜んでくれたとき」

「仕事をしていて嬉しいのは、やっぱりお客様から評価してもらったときですね。

昔からのお客様であれば、『今日もいい色だね。』と言ってくださったとき、新規のお客様から『はじめに想像していたよりいい色だね。』と評価していただいたときは嬉しいです。」と語る小林さん。

 

そこには小林さんの黒に対するこだわりありました。

 

「お客様に喜んでもらえたときは当然ですが、自分が納得した色にできたときは嬉しいですね。

経験を積んできたのもありますが、表面や材質を見て、『どう処理すればいいか』がわかるようになりました。」

 

製品1つ1つに品質を保つのも必要ですが、製品を見ながら、どのような処理をすればどのような結果になるかがわかるのがまさに職人。

この職人技こそが、他の職人さんのこだわりを支えています。

 

▲工場内の風景その1。

 

 

入社半年でのミス 工場長の立場になっての苦労
その経験があって、今では若手育成に力を入れている

失敗談をうかがったところ、次のようなことを教えてくれました。

 

「一度黒染めしたんですが、色の入りが甘くて時間が経つと色が抜けてしまうものがありました。

箱入れの段階で気づいたのでお客様には迷惑はかからなかったのですが、このことは精神的に辛かったですね。」と語る小林さん。

 

「 1工程飛ばしたような感じになってしまい、その結果として色が抜けてしまいました。

この失敗は入社して半年くらい、ラインに入って2ヶ月後くらいの頃のことです。

私個人としては、『マニュアル見なくてもできるようになったかなー』って少しずつ自分の仕事に自信がついてきた頃のことだったので、本当にショックでした。」と、若手時代に苦労した話を教えてくれました。

 

▲工場内の風景その2。

 

「当社は社員が若いので、自分が上の立場になって、質問できる人がいなくなったときは大変でした。

自分が黒染めしているときに、『こんな時どうしたらいいんだろう』と疑問に思うことも多々ありました。

そんなときは社長にまとめて質問したりして、なんとかしのいでいましたね。

大体のところはできるようになっていきましたが、細かいところをどうするか迷ったとき、社長が出張等で遠方に行っている間は本当に苦労しました。

社長に連絡できないときは、自分でちょっと試して見て『やっぱりダメだった』とか『お、いいな』と思うこともありましたが、できる限り自分の中で創意工夫しながらやって見ました。

そうすることで、だんだんと『どうすればいいか』が自分の中でわかってきました。

どうしてもダメだったときに社長に『助けてー!』とお願いすることもありましたけどね。」

 

さまざまな苦労と創意工夫により、少しずつですが自信がついていったと小林さんは言います。

そんな彼も、今では工場長として若手の育成に力を入れています。

 

「今は後輩を育てることを意識して仕事をしています。

仕事をやっていて、後輩に任せるより自分でやる方が早いと思ってしまうことはあるんですけどね。

でも、自分でやってしまうと後輩は伸びないので、できる限り後輩に任せるようにしています。

『1回目は丁寧にアドバイスをして』

『2回目はフワッとアドバイスして』

『3回目からは自分でやってみて、わからなかったら相談して』という方法を取っています。

後輩が成長してくれたので、今ではだいぶ楽をさせてもらっています。」

と笑顔で話してくれました。

 

 

単に黒くなればいいというものではない
納得いく色に染めて、お客様へお渡しする

「黒くなればいいということではなく、自分たちが納得いく色になってからお渡しするようにしています。

ものによっては色が入りにくくて赤紫色になったりするものもあるんですが、そういったものは創意工夫をして色が出るようにしています。」

 

この創意工夫こそが職人技と言えます。

 

「判断基準は色です。

染め方が甘いと、赤ワインのような色になってしまうこともあります。

それは材質や表面の作りによるものの場合がほとんどです。

錆びづらいものは色も入りづらいんです。」

 

▲工場内の風景その3。社員同士の会話の風景にも、仲の良さがうかがえます。

 

「製品と染まり方の見極めができるようになるためには、半年以上かかりました。

お客様から『もっと黒くならないの?』と言われたときも単に『できる/できない』ではなく、『こういう理由で色が入らないんです』と説明できるようになっていきました。」

 

「自分なりに工夫して、黒くなる方法も見つけることができたし、これくらいのレベルでと依頼いただいているものについては、お客様とやり取りするのがうまくなりました。

そこから相談をもらったら、ワンランク上の色付けをすることもできるようにもなっていきました。

サンプルに色をつけて見て、色が入りにくいものだったら1行程足したりして、ワンランク上の黒を入れるようにしています。」

 

「『よそでこんな感じで染めてもらったんだけど、もっと黒くならない?』と言われると、職人魂に火がついて『いっちょやってやるぞ』ってなってしまいますね(笑)」

 

会話のところどころで、小林さんの黒に対するこだわりや自分の技術に対する自信が垣間見えました。

 

 

テーエムを選んだ理由は「1日に2回、求人情報がヒットしたから」

テーエムを選んだ理由を教えていただきました。

「前職が建設業で、転職を考えているときにネットで探していたら、一回テーエムがヒットしました。

そのときは軽く流したんですけどね。

それでさらに別のサイトで見たときにもうテーエムの求人がヒットしました。

『1日に2回ヒットするなんて珍しいな。』と思ってどんなことをやっているのか気になって調べて見たのがきっかけです。」

 

「仕事内容を調べて見たら、表面処理をやっている会社だと知って『へぇ、こういうことをやっているんだ』ということを初めて知りました。

もともと建設業界で働いていたこともあって、工具を目にする機会も多くあったし、ホームセンターに行ったときに工具を見にいくことも多くありました。

そのときは『塗装でもなく、メッキでもない。これはなんだろう。』と疑問に思っていたものだったため、仕事内容を見たらその日のうちに電話させてもらって、『面接を受けさせてください。』とお願いしちゃいました。」

 

 

▲工場内の風景その4。

 

「普段から仕事でもプライベートでも工具を眺めることは多かったと思います。

どうせ自分で使うものだからかっこいいものがいいと思っていたので、それを自分で作れると思ったら嬉しくなりましたね。

今はホームセンターに行ったときに、見覚えがある商品が並んでいることもあり、嬉しく感じることもあります。」

 

ホームセンターの工具コーナーで自分が手がけた製品が売られているというのは、一般の人からするとあまり経験がないことです。

仕事でこだわりがあるからこそ、自信を持って工具コーナーでじっくりと見ることができるのでしょうね。

 

 

自転車を丸々カスタマイズ
世界で1台しかない自転車を作ってみたい

今後やりたいことをうかがったところ、「自転車を丸々1台を黒染め仕様で作ってみたい」と答えてくれました。

 

「自転車丸々1台を使ってデモカーを作ってみたいですね。

黒染めはなんとも言えない色に仕上がります。

パーツによってはムラがあったり、ムラがない状態に仕上げたりして、世界に一台だけの自転車を作ってみたいです。

表面全部がつるんとしているよりも、一部がムラになっている方が味があっていいものになると思います。」と今後の夢を語ってくれました。

 

「世界に1台だけのオリジナル自転車を作りたい」と思っている方がいたら、テーエムさんに問い合わせて見てはいかがでしょうか?

 

株式会社テーエム 問い合わせ

 

▲ステンレスを黒染めしたタンブラー。模様はあとからつけたもの。細かい模様のつけ方などは、まさに職人技。

 

個人でやってみたいことのほかに、会社をどのように盛り上げていきたいかもうかがいました。

 

「今以上にパワフルな人間になって、パワフルな現場を作っていきたいですね。

会社もどんどん大きくして行って、できることならテーエムビルが建つくらいまで会社を大きくできるといいなと思います。

10年後といっても、まだ44歳なので、大好きな仕事を大好きなメンバーと一緒にやっていきたいです。」と壮大な夢を語ってくれた小林さん。

 

とても活気がある会社なので、社員を増やし、会社を大きくするのも夢ではないと思います。

大きな夢に向かってかんばってほしいと思います。

 

 

黒染めに興味を持っていただいた方へのメッセージ

「黒を売りにしている会社ですが 『品物は黒く、心は清く・白く』をモットーに仕事をしています。

見学だけでもいつでもおまちしております。」というメッセージをいただきました。

 

テーエムさんは、平均年齢も若く、とても活気がある会社です。

インタビューさせていただいたときも、テーエムの社員さんから「こんにちは」と挨拶をしていただき、とても清々しい気分になりました。

 

原材料や作り方が見直されている現代。

自分の道具にこだわりたいという方はたくさんいます。

「道具にこだわりたい」という方は、自分のこだわりの道具をテーエムさんに染めてもらってはいかがでしょうか。

 

 

関連リンク

・株式会社テーエム ホームページ

・表面処理.com ホームページ

・Facebookページ

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山後マサキ

1980年5月生まれ。新潟県出身。
サラリーマン時代、システムエンジニアとしてシステム導入やサポートのため全国を飛び回る。
現在は「新潟発!地方発!カッコいい自分になろう!」をコンセプトに活動中。

1件のコメント

  1. […] 工場長のインタビューも芸人職人ギルドに紹介して頂きました! […]

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