記念すべき第1回目は、新潟県の新潟市と三条市でPastel Green carving schoolを経営している伊丹ひろこさん。
2児の母でありながら、カービングを広めるためにイベントに出店したりスクールをひらいたりと積極的に活動しているひろこさんにインタビューさせていただきました。
カービングをはじめたきっかけは
「子どもに喜んでもらいたかったから」
「たまたま病院で雑誌をひらいていたら、偶然カービングの写真を見つけました。
これを子どもに作ってあげたら喜ぶだろうな、と思ってはじめたのがきっかけです。」とカービングとの出会いを語ってくれました。
「実家が八百屋さんだったこともあり、そこでリンゴを買ってキャラクターを彫ってあげたのが最初でした。
そこからカービングの魅力にはまってしまいました。」
カービングの魅力にはまってしまったひろこさんは、子どもを連れてタイへ行き、本場の技術を学んでしまうほどの行動力も持っています。

2013年8月、フォーチュンホテルバンコク フルーツカービングコンテスト2013において団体戦総合優勝。
2016年6月、シェフズカービング主催、タイ・ソープ&フルーツカービングコンテストに出場し、特別賞受賞、ソープ部門第2位受賞。
2017年5月、日本タイカービング協会主催、第8回タイカービングコンテストに出場し、シルバーアワード、新人賞受賞。
定期的にコンテストに出品し受賞歴も多数あり、実力は申し分ありません。
「子どもがもう少し大きくなったら、またタイへ行って本場の技術を学びたいです。」と語るひろこさん。
いつも自分を成長させようとしているところも彼女の魅力の一つです。
カービングは大切な人に喜んでもらえて、笑顔にできるステキな技術
お客様に満足してもらったときが一番うれしい
「子どもやお客様に喜んでもらえたときが一番うれしいですね。
だから、自分が作りたいものではなくて、子どもやお客様に喜んでもらえる作品を作るようにしています。」
どのようなものを作ったら贈った相手が喜んでくれるかを常に考えているとひろこさんは言います。

「あとは自分の思った通りのデザインで作品を作れたときは、なんとも言えない達成感があります。」
細かい作業だからこそ、得られる達成感は特別だというのもうなずけます。
「カービングは大切な人に喜んでもらえて、笑顔にできるステキな技術です。だからこそ、もっと技術を磨いて、喜んでくれる人を増やしたいです。」とカービングの魅力を語ってくれました。
常に前を見て成長しようと努力しているため、作品も彼女自身もとても魅力があります。
そんな存在だからこそ、今日も彼女と彼女の作品に魅せられた人からの注文が絶えません。
出産、育児を経験
ナイフを握れない時期があったから今がある
2012年8月にPastel Greenとして活動をはじめてから、2度目の出産を経験。
「出産直後は思うように作品を作ることができなくて大変でした。
でも、入院中も創作意欲が湧いてきて、病院のベッドの上でそのときに出された果物を彫ったりしていました。」
と語るひろこさん。
「久しぶりにナイフを持つと、思うようにナイフが動いてくれなくて大変なんですよね。
だからヒマと見つけてはナイフを握るようにしています。」と言います。
「働くお母さんに、ちょっとでも『いいな』と思ってもらえるようになりたいです。」

出産以外にも苦労話を教えてくれました。
「カービングに興味を持ってくれたお客様がいて、大量に注文いただいたのですが、1人で対応するのには限界があったときは大変でした。」と言います。
このときの経験から、今はカービングを広めつつ、一緒に作品を作ってくれる仲間を増やすためにカービングスクールに注力しています。
さらに、「地元三条で栽培されたフルーツや野菜とカービングを組み合わせて、何か新しいものを作って地元に貢献したい」という想いから、三条市の農家さんと提携し、ル・レクチェカービングコンポートを共同で製作。
「お祝いごとのときなど、特別な日に大切な人への心を込めた贈り物にも最適です。
興味ある方は、プレゼントしてみてはいかがでしょうか。」
初めての注文してくれたのは同級生
そのときにカービングのすばらしさを再確認できました
カービング教室をはじめてから、はじめて「作品を作ってほしい」と言われたときのことを教えてもらいました。
「子どもの誕生日にスイカを彫ってほしい」と連絡をくれたのは同級生の男の子でした。
ケーキを買うよりも高くなるため、ひろこさんは「ケーキの方がいいんじゃない?」と依頼を断ろうとしたそうです。
しかし、よく話を聞いてみると、彼の娘さんはアレルギー体質でケーキを食べることができないとのことでした。
「何か見た目にインパクトがあって、安心して食べられるものをプレゼントしたい」という気持ちからオーダーをしてくれたらしいのです。
それを聞いて、ひろこさんはオーダーを受ける決心をしたそうです。

「『彫ってもらったスイカを娘にプレゼントしたら、娘もすごく喜んでくれて、とてもいい誕生日になった。ありがとう』って話してくれたときは、すごく嬉しかったですね。」
このときに、「カービングは人を喜ばせることができるステキな技術なんだ」と再確認できたとひろこさんは言います。
依頼をくれたお客様に笑顔になってもらいたいと思いながら、今日もフルーツや石けんを彫って作品を作っています。
夢はカービングを広めること
みんなで協力して大きな作品を作ってみたい
「今はカービングをもっとみんなに知ってもらいたいですね。
そして、仲間がたくさんできたら、ウェディングなどでみんなで協力して大きな作品を作ってみたいです。」と今後の夢を語ってくれました。
1人でできる数に限界を感じ、苦労したひろこさんだからこその夢なんだと思います。

「Pastel Green carving schoolを手伝ってくれる仲間を増やしながら、カービングを知ってもらえる機会を増やしていきたいと思っています。
あとは、いつになるかわかりませんが、タイやシンガポールなどの海外でカービングを教えたいですね。」と今後の壮大な夢を語ってくれました。
彼女には、カービングを学ぶためにタイにまで行ってしまうほどの行動力があるので、きっと実現するだろうと思います。
今後の活躍にも目が離せません。
これからカービングをはじめる方へ
「カービングはナイフ1本ではじめられる手軽さと、石けん・野菜・果物があればできるカルチャーです。
彫っているときも、石けんの香りで癒されたり、野菜や果物を彫ってできた作品をテーブルの上に置くと、テーブルも華やかになるので、興味がある人がいたら体験レッスンからはじめてみてはいかがでしょうか。」

「日本人は細かい作業が得意な人が多いので、日本人にとても向いています。
はじめは難しそうに見えるかもしれませんが、慣れてくるとデザインを見ただけで彫り方もわかってきます。
細かい作業をやっていると無心になれるので、無心になりたい人にはオススメです。」とひろこさんは言います。
Pastel Green carving schoolでは、本場タイの技術を学ぶことができます。
新潟市と三条市にカービング教室があり、落ち着いた空間で少人数の教室でていねいに教えてくれます。
体験レッスンから初級・中級・上級とさまざまなコース設定されているのも、これからやってみたいと思っている人には非常にありがたいです。
何か新しい趣味を見つけたいと思っている人がいたら、カービングをはじめてみてはいかがでしょうか。
こちらはひろこさんが管理しているYoutube。
前からカービングに興味を持っていたり、この記事を読んで興味を持たれた方の中で「カービングってどんなことするの?」と思っている人は、こちらをご覧ください。
関連リンク
・Pastel Green carving school ホームページ