夢を叶えられる会社にするのが目標
株式会社ヤマトキ製作所「小林秀徳」

前回に引き続き、ヤマトキ製作所さんにインタビューさせていただきました。

今回は、専務取締役の小林秀徳さんです。

小林さんは、元プロボクサーという異色の肩書きを持った方です。

「職人」と聞くと若いときから師匠に弟子入りっていうイメージもありますが(って考え方古いか)、まったく別の分野で活躍していて、そこから職人の道に入る人も当然いますよね。

異色の肩書きを持つ小林さんに、こだわりを教えていただきました。

 

ものづくりをシンプルに、簡単に
誰がやっても品質が確保できるものづくりを目指す

ものづくりについてのこだわりを質問したところ、次のように答えてくれました。

「商品を作るときはなるべく『簡単にできるように』ということを意識しています。」

 

職人であれば難しいものも自慢の技術で作ってしまうと思ってしまいがちですが、小林さんの答えはちょっと違います。

でも、その中に職人ならではのこだわりがありました。

「簡単にした方がいいことが多いです。

例えば、シンプルに作った方が壊れにくかったり、修理が簡単だったり、誰がやっても品質を確保できたりします。

社員の人数も限られているので、、いろんな人がいろんな仕事をできるように心がけています。」

 

▲ヤマトキ製作所 専務取締役 小林秀徳さん。三条市在住。元プロボクサーというちょっと珍しい職人さん。真面目な方で仕事も丁寧にやってくれます。

 

「最近では、テーエムさん(注)と一緒になって、ギターのピックだったり、アングルを切って台を作ったりしました。

それ以外にも、ホテルからの依頼でバーベキューの台やコンロを作ったこともあります。

高さ120センチくらいの鉄製の木のオブジェを作りました。

会社では雪止めや雨どいの金具が主なんですが、今の商品に限らず、いろんなものを作っていきたいです。」

 

注)テーエムさんにもインタビューさせていただきました。

株式会社テーエム 渡辺竜海さん

株式会社テーエム 小林太一さん

 

 

ヤマトキ製作所さんは金属加工の会社。

企画から製造・販売まで一貫してできることが強みです。

そんな中、他社と協力しながら、新しいものを作っていこうという意気込みを語っていただきました。

 

 

社員の成長を感じることができたときに嬉しさを感じる

嬉しいときはどんなときかを小林さんにうかがったところ、次のように答えてくれました。

「お客さんが喜んでくれたときっていうのは当然嬉しいんですが、社員さんが今までできなかったことをできるようになった姿を見るのが嬉しいですね。

社員さんが成長して、僕の代わり仕事ができるようになっていくことも見ていて楽しくなります。

今いる社員さんは、僕よりより先に入った人とあとに入った人は半々なんですが、あとに入った人が新しいことをできるようになると嬉しいです。」

 

「この会社入って10年になるんですが、それまではボクシングをやっていて、製造業の経験がまったくありませんでした。

高校も商業科だったで、ものづくりの経験は会社に入ってからになります。

会社に入った直後の頃は、作りたいのにベースがなくてわからないことが多くて、外注さんや先輩に頼ることが多く、歯がゆい思いをすることが多くありました。

僕が1人でこれを作ることができたら『もっと簡単にできるのに・・・』と申し訳なく思うことも多々ありました。」

苦労した経験、歯がゆい思いをしたために、人の成長を感じたときに喜びを感じることができるのだと思います。

このときの経験から、小林さんの中で「なるべく簡単に」「誰でもできるようにシンプルに」という考えにつながったのだと思います。

そのように話す小林さんから、インタビューの間も優しさを感じることができました。

 

▲職場の風景。町の工場ならではの雰囲気。この場所でこだわりのある商品が作られています。

 

いいものを作るのは当たり前
品質を確保しながら効率化を図る

「うちのような会社は、数を作ってなんぼです。

だから、1つ作るのにかかる時間を短縮できた方がいいんです。

1個1秒違えば、1000個作れば1000秒違います。

いいものを作るのは当たり前。

これにプラスして、どれだけ時間を短縮できるかを意識しています。」

 

「溶接のロボットも自分でプログラミングしています。

機械で作業することも多いんですが、そのときのルートを設定するのは自分で設定しなければいけません。

このルート設定をできるだけ早くするように意識してやっています。

効率化を考えながら、何分縮められたかということを考えながらやっていることもやっていておもしろいですよ。」

 

 

▲ヤマトキ製作所さんでもっとも大きい機械がコレ。背の高さに圧倒されてしまいました。

 

小林さんは「誰でも作れるくらい簡単にする」ことを常に意識されている方です。

だからこそ、効率についてもあれこれ考えていて、楽しみを見つけることができるのだと思います。

仕事について、「ちょっと面倒だな」と思っている人も、目標を設定してそれをクリアする喜びを見つけることができれば、仕事の楽しみも変わってくるのではないでしょうか。

 

 

自分ができることで会社に貢献したい

「会社の社員の若返りを図りたいです。」

小林さんに今後の夢をうかがったところ、このように答えてくれました。

「ボクシングをやっていたので、できることならボクシングジムを作りたいと思っています。

実は、今でも月1回キックボクシングのジムを借りて、ボクシングを教えています。

ボクササイズとは違って、プロの人もやっているような練習をやってもらっています。

練習量は来てくれた人に合わせてますけどね。」

 

「僕のところに来てくれた生徒さんには、実際に相手をイメージしてもらって、倒すことをイメージしてもらっています。

プロじゃなくて、一般の人なんですけどね(笑)

可能であれば、ボクシングジムを作って、会社とうまく経営を図ることができるといいと思っています。

というのも、今、新潟ではプロを排出できるジムがないからです。

協会に加盟しているボクシングジムがないんですよね。

その理由も、お金や設備、資格の問題など、いろいろあります。

だから僕がボクシングジムを県内に作って、ボクシングの練習をやりつつ、会社で働けてっていう環境を作れたら、若い人もちょっとは興味を持って来てくれるかなって思っています。

僕もバイトしながらやっていたので、働きながらボクシングをやる大変さはわかっています。

だからこそ、ボクシングをきっかけに若い人たちが集まれるよう場を提供できればと思っています。」

 

小林さんにとって、ボクシングは特別なもの。

だからこそ、一生涯を通してボクシングに関わっていたいのだと思います。

ジムを経営しながら、一方で会社の若返りも図りたいというのはとてもおもしろい考えだと思います。

もしこれが実現することになったら、ボクシングを続けていきたいという方がいたら、ヤマトキ製作所さんはこれ以上ない環境だと思います。

是非とも実現させてもらいたいと思っています。

 

 

▲花型の「梅五徳」。花型の金属加工に職人のこだわりが感じられる商品。三条市にある地場産センターや保内・国上にある道の駅で販売しています。

 

「新潟県の高校はボクシングが強い高校が多いんです。

でも、そういう子たちもみんな大学でアマチュアに行っちゃうんです。

アマチュアとプロの垣根もあるのかもしれませんが、こっち(新潟)ではプロになれないっていうのも理由の一つだと思っています。

だから、プロになれるボクシングジムが新潟にあるとおもしろいんじゃないかと思っています。

もし会社と自分を両立できたら、社員にもフィットネスできるジムとして提供していきたいですね。」

 

 

別の柱を作りたい
そして夢を叶えられる会社にして喜びを共有したい

今後、会社でやって見たいことをうかがったところ、次のように答えてくれました。

「今の仕事はそのまま、新しいものも作っていきたいと思っています。

今は財産というか引き続きだけでやっているようなもの。

だから、自分の手で新しい柱、別の柱を作っていきたいです。

それが製造業なのかなんなのかは、まだわかっていません。

でも、もう一つ会社の柱を作りたいと思っています。

今の仕事は、シェアも低くなっているのが統計を見ていてもわかります。

というのも、人口が減って来ているので、家の数も減っていくからです。

修理する数も減ってきていますし、確実にマーケットは小さくなっていきます。

今は、別の製品なり、まったく別のものを考える時期に来ているのではないかと考えています。

そういうことを考えられる立場にいるのはラッキーだと思っています。

 

「僕は、この会社を夢を叶えられる会社にしたいと思っています。

というのも、僕も、社長である親父に応援してもらってやりたいことができていたから。

うちで働いてくれている社員さんには、できる範囲で夢を実現できるような環境を作ってあげて、一緒に喜べる環境にしたいと思っています。」

 

最後に、小林さんは次のメッセージをくれました。

「ものづくりに興味があったら、うちの会社に来ませんか?

ボクシングなら教えますよ。仕事以外に。

今は月に1回、ボクシングを教えています。

会社、ものづくり以外に、ボクシングに興味があったら連絡ください。」

 

 

「プロボクサーも自分の体を作って、お客様に楽しんでもらえる仕事をするっていう意味では職人みたいなもんなんですよね。」

と帰り際にお話ししてくださいました。

ボクサーとしても非常に興味があるのですが、一度ではすべてインタビューすることができなかったので、また今度お願いします(笑)

 

 

関連リンク

ヤマトキ製作所

小林秀徳さんのブログ「エチゴソウル進化論」

Facebook(小林秀徳さん)

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山後マサキ

1980年5月生まれ。新潟県出身。
サラリーマン時代、システムエンジニアとしてシステム導入やサポートのため全国を飛び回る。
現在は「新潟発!地方発!カッコいい自分になろう!」をコンセプトに活動中。